白石資朗法律事務所

法律扶助について

法律扶助(法テラス)について

 法律扶助とは、資力の乏しい方が弁護士を依頼できるよう、国が弁護士費用の立て替えをする制度です。
 この制度は、もともとは弁護士会が運営する「法律扶助協会」で行っていた事業ですが、平成18年から「日本司法支援センター」(法テラス)が設立され国が運営することとなりました。

 

 当事務所では、日本司法支援センター(法テラス)との民事法律扶助契約を解約いたしましたので、法律扶助は利用できません。
* 現在、受任中の事件については、そのまま法テラスの法律扶助事件として継続します。
* 刑事事件(国選弁護)については引き続き担当します。

 

(解約の理由について興味のある方はお読み下さい)
 法律扶助は、もともとは弁護士会が運営する「法律扶助協会」で行っていました。この時代は、主に弁護士が出し合ったお金で運営しており十分な財源もありませんでしたから、法律扶助事件の報酬は一般的な報酬基準に比べて低く抑えられていました。受任する弁護士としても、自分たちで出し合ったお金で、また自分たちで報酬基準を定めて運営していましたから、法律扶助事件の報酬についても納得していました。

 

 現在は、国が法律扶助を運営していますが、税金で運営しているにも関わらず、報酬は法律扶助協会の時代と変わりません。このことは、国が弁護士業務の経済的価値を正当に評価していないことを意味し、職業的な自尊心に対する配慮の不足を意味しています(このことは「司法改革」全般にあてはまることだと思っています)。同時に、我が国の司法予算の貧しさを象徴しており、国は、国民の裁判を受ける権利を保障する責務を十分に果たしていないことを意味しています。余談になりますが、現在「裁判の I T 化」が進行していますが、その議論においても、国は企業の利便性に注目し、国民個々人の裁判を受ける権利については関心が低いように感じます。

 

 このようななかで、2020年、日弁連執行部は、法テラスの本質的な問題点が改善されていないにも関わらず、コロナウイルス禍を理由として、資力のある方にも法律扶助を適用するという法改正の働きかけをしました。コロナウイルス禍が重大な問題であることは確かですが、そのことと資力のある方に法律扶助を適用することとは全くの別問題であると、私は考えます。

 

 以上の経緯を踏まえて熟慮した結果、私は、2021年3月5日、日本司法支援センターとの民事法律扶助契約を解約しました。
 もっとも、私は法律扶助協会の時代から法律扶助を支えてきたという自負がありますから、上述した法テラスの本質的な問題点に改善の兆しがみえれば、再契約することにやぶさかではありません。


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